アメリカズカップ。
聞いただけだとアメリカの何かの試合?とイメージする方が多いかと思います。
私もはじめて聞いた時そうでした。
そして実際に見てみると、これまたすごい。
簡単にいうと、ヨット界のF1です。
船体から感じる未来感と技術力、港での開放感、クルー達の躍動感、そして船なのに空を飛ぶようなスピード感、いや実際に空を飛んでいる意味不明感。
要約するとワクワクが止まらないということですね。
ここで初心者の私はアメリカってやっぱりすごいなと思ったわけですよ。
ただ実際、アメリカズカップはアメリカだけが出場する大会ではなく、世界中の国が持てる技術を船に総動員し、国の技術力を競う大会でもあり、日本も参加してます。
厳密にいうと、まずは予選会が開催され各国が一斉にスピードを競い、予選会のトップ国と前大会優勝国がガチンコで争う試合をアメリカズカップといいます。日本はまだ決勝まではいったことがないのです。もちろん参加しているだけでも十分すごいです。
ここで皆さんも気づいたと思います。決してアメリカのための大会ではなく、まぎれもない世界大会ですが、なぜアメリカズカップというのか。
実はアメリカズカップという名前は、初代王者のアメリカ号からとったものになります。
当時世界最強海洋国であったイギリスにおいて、自国の自慢である船舶の技術力を世界中に見せつけるために、1851年にロンドン万博でヨットレースを開催したことが始まりになります。
アメリカ国内では、イギリスに勝てるはずもなく100%負けて恥をかくだけだから出場しないようにと、政府が通達していたらしいです。
アメリカ号のキャプテンが自らのセーラー魂を掛けて半ば強引に出場し、政府もまさかのもぎ取った勝利でした。
そのロンドン万博のヨットレースで優勝したことを記念に、優勝したアメリカ号を讃えて大会化したのを「アメリカズカップ」と言います。
このストーリー自体がもう映画で見るザ・アメリカンみたいな展開ですよね。
ここからはあくまで個人の勝手な解釈ですが、この名称から「勝ち取った優勝トロフィーは俺たちのものだ。悔しかったらかかってこいや。世界最強のアメリカに。」という強烈なプライドと戦略が見えて取れます。
いわばプロパガンダに近いものも感じますが、「世界最高の技術は永遠にアメリカにあり」ということを示したかったのかもしれませんね。
世界大会であり王者が別の国になっても永遠にアメリカズカップなのですから。
最初に戻ると私みたいな一見さんは「アメリカってすごいな」と感じてしまうわけで、つまりは一言で言うと「名前は大事だよ〜」ってことです。
©︎2020 宮本快