本日ご紹介する上田毅八郎氏の作品は、油彩画「Chipperkyle」です。
Chipperkyleはイギリスにて建造され、主にリバプールとハンブルグの間を航海していた帆船です。
主にイギリス羊毛や移民を運ぶことで活躍した船舶でした。
イギリス羊毛、いわゆるブリティッシュウールはウールの中でもわずかにした取れない非常に希少価値が高い羊毛です。
他のウールと比べて弾力性に優れ、高い耐久性を誇っており、当時においても高価な金額で取引がされており、イギリスにおいても非常に重要な商品でした。そのような英国の重要品を託された堅牢なChipperkyleは非常に重宝された帆船でした。
この作品においてもChipperkyleの強さが描かれ、今にも船を飲み込もうとする荒れ狂った波が印象的です。
過酷な海上をバランスを狂わせながらも、耐えながら必死に進んでいくChipperkyleの強さと使命感がひしひしと伝わる様は、まるで気品高き英国を象徴するかのようです。
作品サイズ:F20
©︎2020 宮本快